全身をめぐって栄養を届ける血
<血をつくるものと貯蔵される場所>
血(けつ)は脈管(みゃっかん)のなかを流れる赤い液体です。全身の組織や器官に栄養を運びます。
血をつくるのに必要なのは、飲食物を消化・吸収して得られた水(すい)穀(こく)の精微(せいび)です。
水穀の精微の一部は、脈管に入って、清(せい)気(き)と結合します。
そこに心臓の役目をする心という臓器がかかわって、赤い液体に変わるのです。
できあがった血は肝(かん)にためられて、必要に応じて、心から送り出されます。
<血の乱れによるトラブル>
血は全身に栄養を運んでいますから、血が行き届かない部分は、栄養不足になってしまいます。
血が不足した状態を血(けっ)虚(きょ)といいます。
顔色が悪くなり、立ちくらみが起こります。
手足などに血が足りていないと、しびれたり、筋肉がけいれんしたりします。
目やつめは血虚の影響が現れやすい部分で、目のかすみや、つめの表面がでこぼこに変形するなどの症状がみられます。
また、脈が弱くなり、動悸(どうき)を感じるようになります。
女性では、月経が遅れたり、出血量が少なくなります。
血が順調に流れなくなり、どこかで停滞することもあります。
停滞した血を瘀(お)血(けつ)といいます。
瘀血が生じた状態を血(けつ)瘀(お)といいます。
血瘀になると、顔がどす黒くなり、唇や舌が紫色になります。
また、瘀血のできたところに慢性的な痛みを感じるようになります。
刺すような、引きつるような痛みで、いつも同じ場所が痛みます。
からだに熱がこもると、血までも熱せられて、血(けつ)熱(ねつ)という状態になります。
血熱になると、血が異常に速く流れて、脈管を破るため、鼻血、吐血、血便
血尿など、からだのあちこちで出血がみられます。
なお、熱をおびた血は、どろどろになって瘀血になりやすいといわれています。
逆に、からだが冷えすぎると、冷えた血がかたまって、瘀血になることもあります。
ざっとですが、血についてまとめてみました。
動物には欠かせない血、
血のトラブルにより様々な症状があります。
これも、バランスが大事!